赤、白、スパークリングの基本をマスターしたら、次はワインの世界をさらに広げる「トレンドのワイン」に挑戦してみましょう。特に近年注目されているロゼ、オレンジ、そして低アルコールワインは、どれも個性的で飲みやすいものが多く、初心者の食卓を豊かにしてくれます。
1. ロゼワイン:万能で食事に合わせやすい「中間色」の魅力
ロゼワインは赤ワインと同じ黒ブドウから造られますが、醸造過程で果皮と果汁を触れさせる時間を短くすることで、あの美しいピンク色になります。赤と白の良いとこ取りをしたような万能さが魅力です。
1-1. ロゼワインの製法と味わいの特徴
- 製法(セニエ法、直接圧搾法など)
- 黒ブドウを原料としますが、赤ワインと違い、発酵の途中で果皮を取り除きます。この果皮を浸しておく時間が色と味わいの濃さを決めます。
- 味わいの特徴
- 赤ワインのような渋みがなく、白ワインのような爽やかな酸味と軽快さを持ちます。
- イチゴ、ラズベリー、桃などの華やかなアロマ(香り)が強く、非常に飲みやすいのが特徴です。
1-2. ロゼの魅力と選び方
- 万能なペアリング力: 和食、中華、イタリアン、エスニックなど、幅広い料理に合わせられる「万能な食中酒」として近年人気が高まっています。
- 選び方: フランスのプロヴァンス産は色が淡く、非常にドライ(辛口)で上品。チリやオーストラリア産のものは色が濃く、果実味が豊かで分かりやすい味わいです。
1-3. 初心者におすすめのロゼワイン銘柄
初めてロゼワインに挑戦する方には、渋みが少なく、果実味が豊かでやや甘口~辛口寄りのものがおすすめです。
- ベリンジャー カリフォルニア ホワイト・ジンファンデル(Beringer White Zinfandel)
- 特徴: アメリカ産で、ロゼの中では比較的甘口寄りの飲みやすいタイプ。フルーティーな香りと爽やかな酸味のバランスが良く、ジュース感覚で楽しめます。
- 選び方: コンビニやスーパーでも取り扱いが多く、非常に手軽に試せます。
- サントリー フォルタン リトラル グルナッシュ ロゼ(Fortant Litoral Grenache Rosé)
- 特徴: フランス産の辛口ロゼ。色は淡く、すっきりとした味わいで、ロゼのトレンドである「ドライで上品」なタイプを試したい方におすすめです。
- 選び方: 様々な食事に合わせやすく、特に魚介類との相性が良いです。
- エーデルワイン 月のセレナーデ ロゼ
- 特徴: 国産のキャンベル品種を使ったやや甘口のロゼ。イチゴのような華やかな香りと、さっぱりとした甘みが特徴で、和食にも合わせやすいです。
- 選び方: 日本ワインから入ってみたい方におすすめです。
2. オレンジワイン:白ワインの製法で作る「第4のワイン」
近年、特にワイン通の間で注目されているのが「オレンジワイン」です。その名の通りオレンジ色が特徴ですが、オレンジの果実から造られるわけではありません。
2-1. オレンジワインの製法と味わいの特徴
- 製法(マセラシオン):
- 白ブドウを原料としますが、白ワインのように果皮と種を取り除かず、赤ワインと同じように果皮と一緒に発酵させます。
- この「果皮と一緒に発酵させる工程(マセラシオン)」により、タンニンや色素が溶け出し、オレンジ色が生まれます。
- 味わいの特徴
- 白ワインの爽やかさに加え、赤ワインのような渋みと複雑な香ばしさ(紅茶、ドライフルーツのような風味)が加わります。
- 白・赤ワインの中間のような味わいで、和食の出汁や味噌、醤油といった繊細な日本の味にも合わせやすいと人気です。
2-2. 初心者におすすめのオレンジワイン銘柄
オレンジワインは銘柄によって渋みの強さが大きく異なります。初心者の方は、渋みが穏やかでフルーティーさがある、日本の甲州品種を使ったものがおすすめです。
- シャトー・マルス 甲州・オランジュ・グリ
- 特徴: 日本固有のブドウ品種「甲州」を使い、和柑橘のような香りと、穏やかな渋み、そしてスッキリとした後味が特徴。
- 選び方: オレンジワインの個性を感じつつも、和食に合うように作られているため、初めてでも飲みやすいと評価が高いです。
- クラメレ・レカシュ オレンジ・ナチュラル・ワイン(Cramahe Recas Orange Natural Wine)
- 特徴: ルーマニア産。オレンジワインの中では比較的お手頃な価格帯でありながら、白ワインのフレッシュさと複雑なアロマを兼ね備えています。
- 選び方: 海外のオレンジワインに挑戦したい場合に、コストパフォーマンスが良いのでおすすめです。
- ココ・ファーム・ワイナリー 甲州F.O.S.
- 特徴: 日本におけるオレンジワインの先駆的な存在。熟した洋ナシのような華やかな香りと、心地よい渋みと苦みが特徴で、出汁を使った料理との相性が抜群です。
- 選び方: 少し本格的な味わいを試してみたい方におすすめです。
3. 低アルコール・ノンアルコールワインの進化
健康志向や多様なライフスタイルに対応するため、ワインの世界でもアルコール度数を抑えた商品が急速に進化しています。お酒が飲めない方や休肝日にもワインの風味を楽しめます。
3-1. 低アルコールワインの特徴
- アルコール度数: 通常のワイン(12%~14%)よりも大幅に低い5%~8%程度のもの。
- 製法: 醸造過程で意図的にアルコール生成を抑えるか、出来上がったワインからアルコールを専用の機械で抽出(除去)します。
- 魅力: 酔いすぎず、ワイン特有の果実味や酸味はそのまま楽しめます。
3-2. ノンアルコールワインの楽しみ方
- 特徴: アルコール分を0.00%または1%未満に抑えたワインテイスト飲料。
- メリット: 運転や妊娠中でも気にせず、乾杯の気分を共有できます。最近では味わいのクオリティも向上し、本格的なワインの風味を楽しめるものが増えています。
色と風味の秘密:ロゼとオレンジワインのユニークな製法
ロゼとオレンジワインは、その鮮やかな色合いと複雑な風味の源となる、独特の醸造工程を持っています。
1. ロゼワインの製法(色づけの調整)
ロゼのピンク色は、赤ワイン用の黒ブドウを使いながら、果皮と果汁を触れ合わせる「スキンコンタクト」の時間を短くすることで生まれます。この短い接触時間が、軽やかさとフルーティーさを生み出します。
- セニエ法: 赤ワインを造る途中で一部の果汁を取り出し、残った果皮と果汁でロゼを造る方法。
2. オレンジワインの製法(白ブドウを赤ワインのように)
オレンジワインは、白ワイン用の白ブドウを使いながら、赤ワインと同じように**果皮と種と一緒に発酵・熟成**させます。これにより、ワインに「渋み(タンニン)」と、独特のアプリコットのような風味や色が加わります。
ワインの基本的な分類と製法について詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。
ロゼとオレンジワインの最適な楽しみ方
それぞれの個性を最大限に引き出すためには、温度とグラス選びに気を配りましょう。
1. 最適な提供温度
- ロゼワイン: 8℃~10℃(しっかりと冷やす)。清涼感を重視するため、冷蔵庫でキンキンに冷やしてから飲むのがおすすめです。
- オレンジワイン: 12℃~14℃(やや冷やす)。タンニンと複雑な香りを楽しむため、冷蔵庫から出して少し室温に戻す「セラー温度」程度が最適です。冷やしすぎると渋みが強く感じられます。
2. グラスと道具の工夫
ロゼには、白ワイン用のグラス(チューリップ型)で冷涼感を楽しみ、オレンジワインには、口が広めのグラスで複雑な香りを開かせるのがおすすめです。
ペアリング提案:守備範囲の広いロゼとタニックなオレンジ
この二つのワインは、その守備範囲の広さから「何にでも合う」と評されますが、特に相性の良い料理があります。
- ロゼワイン: 様々なハーブやスパイスを使ったエスニック料理(タイ、ベトナム)や、バーベキュー。ワインの軽やかさと複雑な風味が、料理の多様な味わいをまとめ上げます。
- オレンジワイン: そのタンニン(渋み)と酸味は、日本の出汁料理や、韓国料理(キムチ、チヂミ)など、個性的なアジア料理と最高の相乗効果を発揮します。
個性的なワインのペアリング法則はこちらをご参照ください。



