苦味・香り・色で選ぶ!ビアスタイル16種完全ガイド

ビール入門

ビールは、原料、酵母、発酵温度によって「ラガー」「エール」「その他」の大きく3つに分類されます。この分類と、それぞれのスタイルが持つ「苦味」「香り」「色」の特徴を知れば、店頭で迷うことなく、あなたの好みに合った一本を選べるようになります。

ここでは、クラフトビールや輸入ビールを楽しむ上で知っておきたい代表的な16種類のビアスタイルについて、その特徴を分かりやすく解説します。

ビール選びの3大指標(IBU・ABV・SRM)

ビールのスタイルを客観的に理解するために、ラベルや解説でよく使われる3つの指標を覚えておきましょう。

  • IBU (International Bitterness Units): 苦味の強さを表す国際単位。数字が大きいほど苦く感じます。IPAなどのホッピーなビールはIBUが高いです。
  • ABV (Alcohol by Volume): アルコール度数のこと。ビールの飲み応えやボディの重さを判断する基準となります。
  • SRM (Standard Reference Method): ビールの色の濃さを表す指標。数字が大きいほど濃い色(琥珀色〜黒色)になります。

ビールスタイル別

ラガー系(すっきりとした低温発酵)

低温で時間をかけて発酵・熟成させるため、酵母の香りが少なく、クリーンで喉越しが良いのが特徴です。

  • ピルスナー (Pilsner)

    世界中で最も飲まれる黄金色のスタンダード。爽快で切れの良い喉越しと、ホップの心地よい苦味、クリアな味わいが特徴です。日本の大手メーカーのビールもこのスタイルです。

    シュバルツ (Schwarz)

    「黒いラガー」とも呼ばれ、濃い色ながら重さはなく、すっきりとした味わいが魅力。コーヒーやカカオのような穏やかなロースト香と、ラガーらしいクリーンな後味が特徴です。

  • ケルシュ (Kölsch)

    ドイツ・ケルン地方の伝統的なスタイル。エール酵母で発酵しラガーのように低温熟成するハイブリッド製法で、淡い黄金色で非常に繊細、ほのかなフルーティーさとクリーンな飲みやすさが同居します。

  • ラオホ (Rauch)

    麦芽を燻製乾燥させて造る、独特のスモーキーな香りが特徴です。ベーコンや燻製肉を思わせるアロマが強く、強い個性がありますが、味わいは意外にもラガーらしくスムースです。

【ペアリングの傾向】 軽食、繊細な魚料理、揚げ物など、料理の風味を邪魔しない万能な食中酒として活躍します。

エール系(芳醇な常温発酵)

常温で短期間で発酵させるため、酵母由来の華やかな香りや、フルーツ、スパイスのような複雑な風味が生まれやすいのが特徴です。

  • ペールエール (Pale Ale)

    クラフトビールの代名詞。ホップの華やかな香りと、麦芽のコクがバランス良く調和しています。ホップの苦味はありながらも、飲みやすさも兼ね備えた万能なスタイルです。

  • IPA (India Pale Ale)

    強烈なホップの苦味と、柑橘やトロピカルフルーツのような鮮烈なアロマが特徴。ホップの個性を最大限に楽しむためのスタイルで、ハイアルコールなものも多いです。

  • アンバーエール (Amber Ale)

    赤みがかった琥珀色(アンバー)が特徴。ローストした麦芽の風味が強く、カラメルやトフィーのような穏やかな甘さが感じられ、ホップの苦味とのバランスが良いです。

  • ゴールデンエール (Golden Ale)

    ペールエールよりもさらにライトで、クセがなく飲みやすいスタイル。クリーンで軽やかなボディと、控えめなホップの風味で、どんなシーンでも楽しめる爽快感があります。

  • セゾンビール (Saison Beer)

    ベルギーの農家発祥のドライなエール。スパイシーでペッパーのような酵母の風味と、高い炭酸が特徴です。アルコール度数は中程度で、非常にリフレッシュできる、食中酒としても人気です。

  • リアルエール (Real Ale)

    提供方法のスタイルで、樽内で二次発酵させ、外部のガスを使わずに自然な炭酸で提供されます。温度がやや高めで、非常にまろやかでクリーミー、繊細な風味が特徴です。

【ペアリングの傾向】 ハンバーガー、BBQ、カレー、タコスなどのスパイシーで濃い味の肉料理や、熟成したチーズ。

小麦・高濃度・特殊系

伝統的な製法から逸脱した、個性が強く複雑で、食後のデザートや特別なシーンに合うスタイル群です。

  • ヴァイツェン (Weizen)

    小麦麦芽を多く使用するドイツのビールです。酵母が生み出す、バナナやクローブ(丁子)のような独特の香りが最大の魅力。苦味が少なく、きめ細かな泡立ちと爽やかな酸味が特徴です。

  • ベルジャンホワイト (Belgian White / Witbier)

    小麦と大麦を使用し、コリアンダーシードとオレンジピールで風味付けするのが特徴。白く濁った外観と、柑橘の爽やかさ、スパイスのバランスが絶妙な、非常にフルーティーなビールです。

  • スタウト (Stout)

    ローストした大麦がもたらす、深い黒色とコーヒーやダークチョコレートのような苦味・風味が特徴。濃厚でクリーミーな口当たりを持ち、アルコール度数が高いものも多くあります。

  • バーレイワイン (Barleywine)

    「麦のワイン」と呼ばれる通り、アルコール度数が非常に高い(8%以上)リッチなエール。濃厚なモルトの甘さと、ドライフルーツやトフィーのような複雑な風味を持ち、長期熟成にも向きます。

  • サワーエール (Sour Ale)

    乳酸菌などを利用し、意図的に酸味を出したビール。レモンやグリーンアップルのような爽やかな酸味、もしくは複雑なヨーグルトのような酸味が特徴で、食欲を刺激します。

  • フルーツビール (Fruit Beer)

    醸造中にフルーツやフルーツエキスを加えて風味付けたもの。甘いものから、フルーツの酸味を生かしたリフレッシュできるものまで、ベースのビールと加えるフルーツによって多様なバリエーションがあります。

【ペアリングの傾向】 濃厚なデザート(スタウト)、ブルーチーズ(バーレイワイン)、酸味のあるエスニック料理(サワーエール)。


さらにおいしくビールを楽しむために

ビール選びの知識が深まったら、次は最高の状態でおいしさを引き出すテクニックや、料理との合わせ方を学びましょう。