「日本酒度」と「酸度」は、日本酒の味わいを決める車の両輪のようなものです。この2つの数値の意味とバランスさえ理解すれば、あなたはラベルを見るだけで、そのお酒の味の傾向(甘いか、辛いか、濃いか、軽いか)を正確に予測できるようになります。
甘辛度の指標「日本酒度」と辛口・甘口の境界線
日本酒度は、お酒の中に糖分(甘味成分)がどれくらい含まれているかを示す数値です。糖分が多いほど比重が重くなりマイナスに、糖分が少ないほど比重が軽くなりプラスになります。
日本酒度の読み方
| 日本酒度 | 味わいの目安 | 糖分の量 |
|---|---|---|
| +(プラス値) | 辛口 | 糖分が少ない(比重が軽い) |
| -(マイナス値) | 甘口 | 糖分が多い(比重が重い) |
| ±0 | 中間(標準) | 水の比重と同じ |
※一般的に+3以上で「辛口」を、-3以下で「甘口」を強く感じ始めます。
味わいに「キレ」と「コク」を与える酸度
日本酒度だけでは、そのお酒が「濃いのか、軽いのか」は分かりません。そこで必要になるのが、日本酒に含まれる有機酸(クエン酸、乳酸など)の量を示す「酸度」です。酸味は甘味を打ち消し、味を引き締める役割があります。
酸度の定義と役割
- 酸度が高い(1.6以上): 酸味が強く、キレが良い。甘さが引き締まり、濃醇(味わいが濃い)に感じやすい。
- 酸度が低い(1.2以下): 酸味が弱く、まろやか。甘味が際立ち、淡麗(味わいが軽い)に感じやすい。
日本酒度と酸度で決まる味わいの四象限
日本酒の味わいを正確に予測するためには、日本酒度を横軸、酸度を縦軸にとった以下のマトリックスで考えるのが最適です。
日本酒の味わいマッピング(平均値:日本酒度±0, 酸度1.4)
| 日本酒度:マイナス(甘口) | 日本酒度:プラス(辛口) | |
|---|---|---|
| 酸度:高い(濃醇) | ① 濃醇甘口 (しっかりとした甘味と強い酸味) 例:秋田、奈良など | ② 濃醇辛口 (強い酸味で甘味を感じさせない) 例:山廃仕込みなど |
| 酸度:低い(淡麗) | ③ 淡麗甘口 (軽快で飲みやすい、優しい甘さ) 例:女性や初心者におすすめ | ④ 淡麗辛口 (軽快で、キレが良い爽快な辛さ) 例:新潟など、最もポピュラー |
※あなたが「淡麗辛口」が好きなら、日本酒度はプラスで、酸度は平均より低いものを探せば確実です。
店頭で好みの味を伝えるための選び方
ラベルに日本酒度と酸度が記載されていれば、以下の数値を目安に選んでみましょう。記載がない場合は、店員にこの数値の組み合わせで尋ねてみてください。
求める味わい別:数値の目安
- スッキリ爽快な辛口(淡麗辛口): 日本酒度+4以上 & 酸度1.4以下
- フルーティーな甘口(淡麗甘口): 日本酒度-3以下 & 酸度1.4以下
- 濃厚で深い味わい(濃醇タイプ): 日本酒度問わず & 酸度1.6以上
この2つの数値が分かれば、あなたはもう日本酒のラベルを解読できます。次は、この知識を武器に、あなたの理想の「濃淡」と「甘辛」のバランスを持つ一本を探してみてください。
