「プラモデルに色を塗ってみたいけど、どうやって塗ればいいの?」という初心者の方に向けて、基本的な塗り方から配色のコツ、失敗しないためのポイントまで詳しく解説します。結論から言えば、色塗りで最も大切なのは「薄く何度も塗り重ねる」ことです。一度で厚塗りしようとせず、薄く塗って乾かす工程を繰り返すことで、ムラのない綺麗な仕上がりが得られます。
プラモデルの色塗り|基本の6ステップ
プラモデルを綺麗に塗装するには、正しい手順を踏むことが重要です。以下の6ステップを守ることで、初心者でも美しい仕上がりが得られます。
ステップ1:パーツの洗浄
プラモデルのパーツ表面には、製造工程でつく離型剤や手で触ったときの油汚れが付着しています。これらが残っていると塗料の食いつきが悪くなるため、塗装前に中性洗剤で洗浄し、よく乾かします。この工程を「脱脂」と呼び、塗装の密着を良くするための重要な準備作業です。
ステップ2:下地処理(サーフェイサー)
下地塗装としてサーフェイサー(下地塗料)を吹くことで、塗料の発色が良くなり、表面の小さな傷や凹凸も目立たなくなります。サーフェイサーにはグレー・白・黒などの色があり、本塗装の色に合わせて選びます。
- 白サフ:白・黄色・明るい色を塗るとき
- グレーサフ:赤・青・緑など中間色を塗るとき(万能)
- 黒サフ:黒・濃紺など暗い色を塗るとき
初心者にはグレーサフが最も使いやすく、どんな色にも対応できるのでおすすめです。
ステップ3:色ごとにパーツを分けて塗装
パーツを色ごとにグループ分けし、同じ色をまとめて塗装することで効率的に作業できます。例えばガンプラなら白・赤・青・黄色などパーツの色ごとに分け、一色ずつ丁寧に塗装していきます。
ステップ4:本塗装(薄く何度も塗り重ねる)
色塗りで最も重要なのがこの工程です。一度で厚く塗ろうとせず、薄く塗って乾かす工程を4〜10回繰り返すことで、ムラのない綺麗な仕上がりが得られます。
- 黒っぽい色:4回位塗り重ねれば綺麗になる
- 白っぽい色:10回位塗り重ねないと白くならない
塗るたびに塗る方向を変えると筆跡が目立ちにくくなります(1回目は縦、2回目は横、3回目は斜め、のように)。
ステップ5:スミ入れ(細部のディテールアップ)
パーツの溝にガンダムマーカーやエナメル塗料で線を入れることで、立体感が格段に増します。スミ入れは塗装後に行うのが基本です。
ステップ6:トップコート(仕上げの保護)
塗装が完了したら、最後にトップコート(つや消しまたは光沢スプレー)を吹くことで、塗装面を保護しつつ質感を統一できます。つや消しタイプが万能で、ガンプラ・スケールモデルどちらにも使えます。
色塗りで最も大切な「薄く塗り重ねる」技術
初心者が最もつまずきやすいのが「一度で塗ろうとすること」です。厚く塗ると必ずムラができます。薄く塗り重ねる技術を身につけることが、綺麗な仕上がりへの近道です。
薄塗りと厚塗りの比較
| 塗り方 | 塗り重ね回数 | 仕上がり |
|---|---|---|
| 薄塗り | 少量の塗料を薄く5回塗り重ねる | ムラなく綺麗。表面が滑らか |
| 厚塗り | たっぷりの塗料を2回で仕上げる | ムラあり。表面が厚ぼったい |
薄塗りのコツ
- 塗料を少量だけ筆に取る(筆の先端1/3程度)
- パーツに薄く伸ばすように塗る(最初は成形色が透けてOK)
- しっかり乾かしてから(我慢が重要)次を塗り重ねる
- 塗るたびに方向を変える(縦→横→斜めのように)
- 4〜10回繰り返すことで均一な色になる
配色のコツ|色選びの基本
サーフェイサーの色で発色が変わる
明るい色(白・黄色)を塗るときは白サフ、暗い色(黒・濃紺)を塗るときは黒サフを使うことで、少ない塗り重ね回数で綺麗に発色します。初心者は「同じカラーのサーフェイサーを使う」ことを心がけましょう。
色の三原色を理解する
塗料を混ぜて調色(オリジナルの色を作る)したいときは、色の三原色(赤・青・黄)の組み合わせを理解すると便利です。
- 赤 + 青 = 紫
- 赤 + 黄 = オレンジ
- 青 + 黄 = 緑
- 白を混ぜる = 明るくなる
- 黒を混ぜる = 暗くなる
メタリック・メッキ色の使い方
ガンダムマーカーのシルバーやゴールドは非常に便利で、塗りすぎて真っ黒になった部分に銀色を伸ばして黒を薄くしたり、光ってそうな所に銀を乗せたり、錆っぽい表現を茶色で加えたりと、汚し表現にも活用できます。
初心者がつまずきやすいポイントと対処法
ムラができる
原因:一度で厚く塗ろうとしている・塗料を薄めずに使っている
対処法:塗料を溶剤で薄め(塗料:溶剤=1:1程度)、薄く何度も重ね塗りする。筆塗りの場合は塗る方向を毎回変えることで筆跡が目立ちにくくなります。
塗料が垂れる
原因:一度にたっぷり塗りすぎている・乾く前に次の層を塗っている
対処法:薄く塗ることを徹底し、しっかり乾燥させてから次の層を塗る。スプレー缶の場合は「シュッ、シュッ」と断続的に吹き付け、連続噴射しない。
色が薄くて発色しない
原因:サーフェイサーの色が本塗装の色と合っていない・塗り重ね回数が足りない
対処法:白系の色を塗るなら白サフ、黒系の色を塗るなら黒サフを使う。白色は特に10回程度塗り重ねないと綺麗に発色しないため、根気よく塗り重ねる。
筆跡が残る
原因:塗料を薄めずに使っている・一方向にしか塗っていない
対処法:塗料を適切に薄める。筆跡を消すなら縦・横を交互に塗る。逆に筆跡を残して作品の味を出すなら、一方向だけに塗るのもアリです。
乾燥時間が待てない
原因:早く完成させたい焦り
対処法:塗装は「待つこと」が最も重要な工程です。乾燥前に次を塗るとムラや垂れの原因になります。ラッカー塗料なら10〜30分、水性塗料なら30分〜1時間程度しっかり乾燥させましょう。
塗装方法別の色塗りのコツ
スプレー缶で色を塗るコツ
- 缶をよく振ってから使う(1分程度)
- パーツから15〜20cm程度離して吹く
- 「シュッ、シュッ」と断続的に吹き付ける(連続噴射しない)
- 薄く何度も重ね塗りする(1回で仕上げようとしない)
- 必ず屋外または換気の良い場所で作業する
筆塗りで色を塗るコツ
- 塗料を溶剤で薄める(塗料:溶剤=1:1程度)
- 筆に塗料を少量だけ取る(筆の先端1/3程度)
- 薄く伸ばすように塗る(最初は成形色が透けてOK)
- しっかり乾かしてから次を塗り重ねる
- 塗るたびに方向を変える(縦→横→斜め)
ガンダムマーカーで色を塗るコツ
- ペン先で直接パーツに色を置く
- 綿棒で伸ばす(強く擦ると色が全部なくなるので注意)
- 失敗したら擦りまくってなかった事にできる
- 何度も重ね塗りすることで発色する
- 広い面より小さなパーツの部分塗装に向く
まとめ
プラモデルの色塗りで最も大切なのは「薄く何度も塗り重ねる」ことです。一度で厚く塗ろうとせず、薄く塗って乾かす工程を4〜10回繰り返すことで、ムラのない綺麗な仕上がりが得られます。
サーフェイサーの色を本塗装の色に合わせること、塗るたびに方向を変えること、しっかり乾燥させることの3点を守れば、初心者でも美しい塗装ができます。
塗装方法全般の選び方は初心者向けプラモデル塗装ガイド完全版を、塗装道具の詳細はプラモデル塗装初心者向け道具・材料ガイドもあわせてご覧ください。